2019年版「少子化社会対策白書」によれば、25歳~34歳の未婚者に「独身でいる理由」を尋ねたところ、
男女ともに
「適当な相手にめぐり会わない」(男性:45.3%、女性:51.2%)
が最も多い結果となりました。
目次
独身でいる理由
有効票数=8,752票、有効回収率=76.5%
複数回答可
数値は(%)
男女ともにグラフの形状は似通っていることがわかります。
男女別にグラフを拡大してみましょう。
独身でいる理由(男性)
数値は(%)
独身でいる理由(女性)
数値は(%)
結果を多い順に1位から10位まで並べると
独身でいる理由(男性)
1位:適当な相手にめぐり会わない(45.3%)
2位:まだ必要性を感じない(29.5%)
3位:結婚資金が足りない(29.1%)
4位:自由さや気楽さを失いたくない(28.5%)
5位:趣味や娯楽を楽しみたい(19.4%)
6位:仕事(学業)にうちこみたい(17.9%)
7位:異性とうまくつきあえない(14.3%)
8位:住居のめどがたたない(7.2%)
9位:まだ若過ぎる(3.8%)
10位:親や周囲が同意しない(2.7%)
独身でいる理由(女性)
1位:適当な相手にめぐり会わない(51.2%)
2位:自由さや気楽さを失いたくない(31.2%)
3位:まだ必要性を感じない(23.9%)
4位:趣味や娯楽を楽しみたい(20.4%)
5位:仕事(学業)にうちこみたい(19.1%)
6位:結婚資金が足りない(17.8%)
7位:異性とうまくつきあえない(15.8%)
8位:住居のめどがたたない(5.1%)
9位:親や周囲が同意しない(4.8%)
10位:まだ若過ぎる(2.4%)
独身でいる理由は様々ですが、白書の中に興味深いデータがあります。
次のグラフをご覧ください。
男性の従業上の地位・雇用形態別有配偶率
さらに、男性の年収別有配偶率(2012年時点)をみると、いずれの年齢層でも一定水準までは年収が高い人ほど配偶者のいる割合が高い傾向にあります。
男性の年収別有配偶率
明らかに年収の高い男性の方が配偶者がいる確率が高いことがうかがえます。
年収800万円以上の30歳~39歳の男性に至っては、実に約8割~9割の人が結婚していることがわかります。
先ほどまで、独身でいる様々な理由を見てきましたが、年収別有配偶率を見てしまうと、独身でいる理由は、実はほとんどお金が原因であるとさえ思えてしまいます。
勿論、お金を抜きにして、本当に結婚したくない理由がある人も多数いることでしょう。
もう一度「独身でいる理由(男性)」を見てみましょう。
この中で、お金があれば解決してしまう理由はいくつもあると考えられます。
独身でいる理由(男性)
1位:適当な相手にめぐり会わない(45.3%)
2位:まだ必要性を感じない(29.5%)
3位:結婚資金が足りない(29.1%)
4位:自由さや気楽さを失いたくない(28.5%)
5位:趣味や娯楽を楽しみたい(19.4%)
6位:仕事(学業)にうちこみたい(17.9%)
7位:異性とうまくつきあえない(14.3%)
8位:住居のめどがたたない(7.2%)
9位:まだ若過ぎる(3.8%)
10位:親や周囲が同意しない(2.7%)
一番直接的にお金で解決できるのは3位の「結婚資金が足りない(29.1%)」です。
6位の「仕事(学業)にうちこみたい(17.9%)」ですが、有配偶者も結婚後、仕事(学業)にうちこみたい気持ちが薄れるわけではありません。
仕事にうちこみたい理由が「家庭に時間を取られてしまう」という理由であればこの選択肢を選んでもいいのですが、この回答をした人の中には「仕事を頑張れば社内的な地位が上って給料も上がるから」という理由で選択した人も含まれていると思われます。
4位の「自由さや気楽さを失いたくない(28.5%)」の理由も曲者です。
これを選んだ人の中には熱心な趣味を持っていて、本当に家庭に縛られたくないと考えている人が少なからず含まれていると思います。
または過去に交際していた女性からあれこれと縛られた経験があり、結婚に対して悪いイメージを持っている人が含まれているかもしれません。
しかし、私の周囲にいる独身男性に聞くと、特にこれと言って情熱を注いでいる趣味を持ってるわけでもなく、過去に交際して女性から縛られた経験もないのに、これと同じ理由を述べる人がたくさんいます。
「自由さや気楽さを失いたくない」という理由で結婚しないというスタンスは、親や周囲から「彼女はいないのか?」「結婚するつもりはないのか?」と言われ続けている独身者にとって、プライドを守りつつ返答できる一番都合の良い理由な気がしてなりません。
2位の「まだ必要性を感じない(29.5%)」も非常に曖昧な表現です。
時々、年収が非常に高く、複数の女性と恋愛を楽しんでいるような男性の話を聞くことがありますが、そういう人の場合は「必要性を感じない」という理由を選択する人がいるかもしれません。
また、結婚に対するマイナスのイメージを持っていて、必要性を感じない人がいてもおかしくはありません。
しかし、この理由を選択した人の内、貯蓄がたくさんあり、年収が高い男性はどのくらい含まれているのでしょうか?
少なからず、年収が低いために結婚をためらっている人がこの理由に含まれている可能性はあります。
アンケートはつい誘導されてしまうものです。
この結果をそのまま鵜呑みにはできないと思います。
一つ言えることは、独身でいる理由は10種類ものいろいろな理由がありましたが、本当の姿を映し出していないと思われます。
年収別の有配偶率を見た限りでは、お金というものが独身でいる大きな理由になっていることは間違いないということです。