2019年版「少子化社会対策白書」によれば、
「いずれ結婚するつもり」と答えた未婚者(18~34歳)の割合は、
2015(平成 27)年調査で
男性 85.7%
女性 89.3%
となっており、ここ 30年間を見ても若干の低下はあるものの、男女ともに依然として高い水準を維持しています。
目次
未婚者(18~34歳)のうち「いずれ結婚するつもり」と答えた者の割合
※有効票数は8,752票、有効回収率は76.5%
第9調査の1987年と言えば、バブル全盛機ですが、その頃は景気も良く、将来に不安を抱えている人も少なかったと考えられます。
その後、バブルが崩壊しても理想は理想だから、結婚相手がいようがいなかろうが、 結婚資金があろうがなかろうが、将来はなんとなく「いずれ結婚するつもり」と明るい希望が持てたのかもしれません。
しかし世の中そんなに甘くない。
前述した「いずれ結婚するつもり」と答えた未婚者(18~34歳)の割合は、
2015(平成 27)年調査で
男性 85.7%
女性 89.3%
言い換えれば「結婚するつもりはない」と考えている人が
男性 14.3%
女性 10.7%
ということになります。
しかし、総務省の国勢調査では未婚率は次のようになっています。
理想と現実はこんなにもかけ離れています。
年齢(5歳階級)別未婚率の推移
25歳~29歳の未婚率は
男性で72.7%
女性で61.3%
となっていますが、「いずれ結婚するつもり」と答えても、これからまだ先、結婚する可能性が時間的に充分残されてます。
しかし、厚生労働省の「人口動態統計」によれば、平均初婚年齢は2017(平成29)年で、
夫が31.1歳
妻が29.4歳
となっており、
35歳~39歳の未婚者は平均に比べて数年加齢しているのにもかかわらず、2015年の未婚率では
男性35.0%(約3人に1人)
女性23.9%(約4人に1人)
になっていることがわかります。
結婚相談所では一般的に、年齢が上がれば上がるほど成婚率が下がるといわれています。
さらに50歳時の未婚割合を見てみましょう。
50歳時の未婚割合の推移と将来推計
1 45~49歳の未婚率と50~54歳の未婚率の平均。
2 出生率の低下要因は、我が国では婚外出生が依然少ないため、結婚行動の変化(未婚化)と夫婦の出産行動の変化(有配
偶出生率の低下)にほぼ分解され、前者の引き下げ効果は、後者の効果に比べてはるかに大きいとの指摘がある(岩澤美
帆・金子隆一・佐藤龍三郎(2016)「ポスト人口転換期の出生動向」、佐藤龍三郎・金子隆一編著「ポスト人口転換期の
日本」(人口学ライブラリー17)原書房を参照)。
3 具体的には、1950年代後半から1970年代前半にかけての合計特殊出生率に相当する数値2.01から2012(平成24)
年の1.38までの変化量は、約90%が初婚行動の変化、約10%が夫婦の出生行動の変化で説明できるとされている
(2012年の数値の考え方を含め、岩澤美帆(2015)「少子化をもたらした未婚化および夫婦の変化」、髙橋重郷・大淵寛
編著「人口減少と少子化対策」(人口学ライブラリー16)原書房、岩澤美帆・金子隆一・佐藤龍三郎(2016)「ポスト人
口転換期の出生動向」、佐藤隆三郎・金子隆一編著「ポスト人口転換期の日本」(人口学ライブラリー17)原書房を参照)。
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70年代・80年代は50歳の人の9割以上が結婚していたことがわかります。
しかし、バブル崩壊頃を境に、50歳時の未婚率は上昇を続け、2015年調査では
男性23.4%
女性14.1%
が未婚となっています。
2015年の調査時に回答した未婚者(18~34歳)が50歳になる頃の推計を見ても、「いずれ結婚するつもり」が現実にならない人が多数いると予想されています。
未婚率が上昇している背景には、「いずれ結婚するつもり」と答えなかった人たちが少なからず含まれていることを忘れてはなりません。
未婚者の中には本当は結婚したいと思っているのに、何かの理由があって「結婚するつもりはない」と答えている人と、本気で「結婚しなくてもいい」と考えている人がいると考えられます。
そもそも、結婚をしている人でさえ、実際に結婚してみてから初めて分かった結婚のメリットやデメリットがたくさんあると思います。
未婚者の内、離別死別した人以外の初婚の人は結婚がどういうものか知るはずもありません。
昔は9割以上の人が結婚していたため、結婚しないほうが珍しい時代でした。
結婚がどういうものかを知ったから結婚したのではなく、してみたらどういうものか分かったのだと思います。
あまりに未婚者増えてくると、正常性バイアスが働くでしょうから、「結婚しないのも当たり前」になっていきます。
本気で結婚したくないと思っているのならそれは本人の自由ですが、本当は結婚したいと考えている人なら行動してみることが大切です。