よく「出会いがない」という言葉を耳にします。
確かに私の周囲でも、未婚者がたくさんいます。
聞けば「出会いがない」らしい。
晩婚化・晩産化が急速に進んでいます。
令和元年6月、政府は2019年度版「少子化社会対策白書」を閣議決定しました。
完結出生児数は過去最低の1.94人
「完結出生児数」とは結婚持続期間が 15~19年の初婚どうしの夫婦の平均出生子供数を表します。
1972年から2002年までは2.2人前後で安定的に推移していましたが、2005年から減少傾向にあり、2015(平成 27)年には 1.94人と、過去最低となっています。
完結出生児数の推移
晩婚化が進むと、一生の内に持てる子供の数に限界が出てきます。
結婚当初は子供は2人でいいと思っていた夫婦が、気が付けば子供が3人・4人になる場合がありますが、晩婚化が進めばそういうことも少なくなっていきます。
妊娠する可能性も晩婚化により確率が下がります。
昔は20代後半にもなれば親や周りの人から「そろそろ結婚した方が・・・」と言われていたものですが、晩婚化が進み、30代前半位でも同年代の友人知人に未婚者がたくさんいれば、結婚に対する焦りも薄れて当然です。
進む晩婚化
医学の進歩により、高齢になっても母子ともに安全に出産できるようになったことも、晩婚を肯定できる要因の一つになっていると考えられます。
芸能人が40歳を過ぎてから第一子を授かった話などを頻繁に聞くようになりました。
昔であれば高齢出産といわれた年齢でも、現代では普通になりつつあるのです。
しかし、出産時の母体の安全性は医学の進歩により高まりましたが、自然に妊娠する可能性は今も昔も大きくは変わりません。
やはり高齢になれば自然に妊娠する可能性は下がっていきます。
もし日本が未婚のまま子供を出産できる社会的風土や環境であれば、少子化は好転するのかもしれませんが、今の日本は未婚のまま出産したという人はごくわずかな数であり、やはり結婚を経て出産するのが一般的です。
早く結婚する人が増え、安心して子供を産める社会にならない限り、少子化は過去最低を更新し続けてしまう可能性が高いと言えます。
ネットでの出会いは当たり前の時代に
では、なぜこんなにも晩婚化が進み、未婚者が増えてしまったのでしょうか?
実際に私の周りの独身の人に話を聞くと、「出会いがない」という人がほとんどです。
しかし出会いはどこにでもあります。
2013年のForbesのニュースによれば、
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National Academy of SciencesのProceedingsに発表された研究では、2005年から2012年の間に結婚したカップルの35%がオンラインで会い、これらのカップルが一緒にいる可能性がわずかに高く、「結婚した回答者の間の結婚満足度がやや高い」
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アメリカでは6年も前に、なんと結婚の3分の1がネットを通じて知り合っているというのです。
SNSによる人と人の出会いは社会に革命をもたらしました。
私自身もこのサイトとは違うブログサイトでコメントを通じて知り合った方と恋愛関係ではありませんが何人も会ったことがあります。
SNSは人と人をつなぐインフラであり、昔の実社会と同じようにSNSの中にも出会いは転がっています。
それでも独身の人の多くが「出会いがない」と言うのです。
もちろん、全員が本音を言っているわけではありませんから、本当はお金が心配だったり、異性との会話が苦手だったり、異性への理想が高すぎたりするのかもしれません。
しかし本音を言いたくないから、一番簡単でプライドも傷つかない「出会いがない」という理由を挙げているのかもしれません。
そうかと言って、本当に出会いが無い場合もあるでしょう。
職場に理想の異性がいない、友人や知人に紹介された異性の中に恋愛に発展するような人がいない、習い事や趣味で出会った人の中に好きになれる人がいない。
そんなケースもあると思います。
運命的な出会いがあればいいのですが、不運にもその出会いがない場合は積極的に自分から行動しない限り向こうからは来てくれません。
街中いたるところでスマホを見ている人を見かけます。
暇があればスマホ。
電車の中も、カフェでも、食事をしながらでも、家でも。
これだけ多くの人がスマホを見ているのですから、スマホの中に出会いのチャンスが転がっているのは間違いなさそうです。
でも、SNSで知り合ったまま、そこから次に発展しない人は案外多いのかもしれません。
人間同士のコミュニケーションは最後は実際に会って話さなくては恋愛⇒結婚にはなりませんから、出会いの切っかけがSNSだったとしても、最後は対面しての会話になっていきます。
SNSやネットで出会い、実際に会い、恋愛に発展して、結婚にいたる。
このプロセスは現代ではごく普通のことになっています。
ここではSNSと言いましたが、SNSだけではなく、婚活サイトも、趣味で活用しているサイトでも同じです。
ネットを通じての出会いはごく当たり前の時代になっているということです。
「出会いがない」のではなく、出会いをチャンスに変える力の方が重要です。