イベント型の婚活と言えば
・婚活パーティー
・恋活パーティー
・合コン
・街コン
などが有名ですが、最近ちょっと元気がないようです。
ブライダル総研(株式会社リクルートマーケティングパートナーズ)は「婚活実態調査2019」にて、
『恋愛もしくは結婚の意向がある「恋人のいない独身者」へのアンケート調査を行いました。
・結婚相談所
・ネット系婚活サービス
・婚活パーティー・イベント
婚活を上記の3つにジャンル分けした場合の、利用経験者の割合は次の通りです。
2019年は全体としては過去最高を記録しています。
引用:婚活実態調査2019(リクルートブライダル総研調べ)
明らかに伸びているのはネット婚活サービスです。
結婚相談所は2016年調査に比べて、2019年に+0.1% 辛うじて伸びたものの、ネット婚活サービスの勢いに押されているのは間違いありません。
2016年調査の利用率を2019年に超えることができなかったのは「婚活パーティー・イベント」です。
2009年流行語大賞にノミネートされた「婚活」。
それをけん引したのは「婚活パーティー」でした。
2012年の流行語大賞では「街コン」がノミネートされ、全国各地で町興しも兼ねた「街コン」が次々に開催されました。
しかし2014年11月1日に結婚相談所のテレビCMが解禁されると、結婚相談所の勢いが復活。
2016年頃からは新しい婚活サイトとマッチングアプリが次々にリリースされていきます。
2016年はさながら第二次婚活ブームの様相を呈していました。
グラフからもわかるように、2017年・2018年が苦戦したのは、2016年に一気に婚活が注目された反動と考えられます。
2019年になり、結婚相談所は2016年並みに回復しましたが、婚活パーティー・イベント系は2016年調査を上回れない状態にあります。
イベント型だけが伸び悩んでいるのは「出会いはネット」という潮流になっているからです。
さらに婚活パーティーの先行きが不透明であるデータが出ています。
婚活パーティーの高齢化が進んでいるのです。
次のグラフはさきほどのグラフを男女別・年代別に詳しく表したものです。
40代に注目です。
各婚活サービスの利用経験割合
(恋愛もしくは結婚意向がある恋人のいない独身者/1次調査より/複数回答)
引用:婚活実態調査2019(リクルートブライダル総研調べ)
特に問題となっているのが、「婚活パーティ―・イベント」の40代女性です。
40代男性の婚活パーティ―の利用率に対して、40代女性の利用率の方が大きく伸びており、婚活パーティーに参加する若い男性は「おばさん多いな…」と感じるかもしれません。
2009年(10年前)に「婚活」が流行語大賞にノミネートされた頃に30代だった女性が今は40代になっています。
その当時そこまでの焦りが無かった若い女性が、今40代独身になってまず思い浮かぶのが「婚活パーティ―」なのかもしれません。
しかし、時代は進化しており、ネット系婚活サービスが一気に台頭してきました。
男女は適度な年齢差までが最もカップルになりやすく、婚活パーティーで女性だけが高齢化してくれば、若い男性は違うジャンルに流れていきます。
もちろん、婚活パーティーは参加年齢が限定されているパーティーが多数ありますので、自分が希望する年代のパーティーを選べばいいのですが、「全年齢対象」や「30代・40代」などと書かれているパーティーは40代以上の女性が多数押し寄せる可能性が高くなっています。「女性36歳~45歳」のような場合も、中間の40歳が多いのではなく、大半が40歳以上という場合も起こりうるわけです。
実際に結婚した人の平均的な年齢差は夫が妻より+2.0歳というデータが出ていますから、女性が年上になってしまう婚活パーティー・イベント系ジャンルは先行きが暗いと言えるでしょう。
ネットは社会を大きく変えました。
結婚相談所にオンライン型やデータマッチング型が浸透してきているのも、ネットを利用することのメリットがあるからです。
しかし、昔ながらの「当日会ってみてからのお楽しみ」のパーティー・合コン・街コンスタイルは、今後益々厳しくなっていくと予想しています。
会場型はその日行ってみないとどんな相手が待っているの分かりません。しかも参加人数は多くても十数名。
巨大パーティーは参加人数が多ければ多いほど一人当たりの会話の分数は短くなり、1人当たりの制限時間が1~2分なんてことも。
ネット婚活は数十万~数百万人の会員の中から選べますとよく聞きます。
そうは言っても、現実的に出会える距離を考えると「数万人の中から」と言った方が正しいのですが、それでも数万人もいるのです。
検索条件設定も「年齢・身長・居住地」は当然として、体型・年収・学歴・趣味・共通点・離婚歴・タバコ・お酒・同居人・・・・・そこまで絞り込んでも驚くような人数がヒットするのに、「パーティー参加の10人の中から一人を選んでください」と言われても・・・
参加者全員が自分の好みでなかったら、パーティー終了まで過ごすのは苦痛です。
24時間どこにいてもスマホ片手に活動できるネット婚活に比べて、会場型は交通費と時間をかけて会場まで足を運ばなきゃ始まらない・・・どう考えても効率が悪いと言えるでしょう。
ネット婚活のジャンルは複雑に分かれており、女性と男性が同額の有料マッチングアプリや婚活サイトは女性側の結婚真剣度が高いことが判明しています。女性無料のマッチングアプリがたくさんあるのに、わざわざお金を支払ってまで会員登録してるのですから真剣そのものです。
相談所も負けていません。ネット婚活の良い部分を取り入れながら日々進化しています。
婚活パーティーも、あの手この手で対抗策を講じています。
オタクに特化したり、趣味コン、少人数制、サシ飲みなど、いろいろな手法で開催していますが、それはアプリでもできないことはありません。
フリーワード検索に「オタク」と入れるか、趣味や好みの条件で探せば同じ趣味の人と簡単に出会えます。
少人数制やサシ飲みであれば、アプリやサイトにも「友達と一緒に会いたい」の検索条件が指定できるものもありますし、自己紹介文の中に「お互いお友達を誘って4人で会いませんか?」と書くこともできます。
イベント型が適している人は
特殊な条件指定のあるパーティーや合コンの参加資格に自分が該当している場合
・参加資格に年収制限があり、自分の年収がそれより高い場合
・特定の職業(自衛隊・看護師・有資格者)だけに参加資格があるパーティー
・特定の趣味を持つ者同士(ゴルフ・神社仏閣・釣り・御朱印など)で開催される趣味コン等
このような特定の参加条件で行われるイベントで、自分が参加資格を満たしている場合はイベント型も良いかもしれません。
ただし、イベント型の婚活は複数のライバルがそこにいるわけですから、ハイスペックで会話が上手いライバルにおいしいところは全部持っていかれると思った方がいいでしょう。
1対1のデートなら少しずつ自分を理解してもらえたとしても、パーティーや合コンではその時間はありませんから、見た目が良く、話が上手な人に人気が集中します。
そのため、自分に自信がある方はパーティーに向いていると言えます。
パーティ―運営会社の方々も集客に必死だとは思いますが、会場でしか味わえない特別な臨場感やカップル成立のドキドキ感など、演出をより一層高めていかないとリピーターが集まりません。
ネットでこっそり出会って二人だけでデートというスタイルが当たり前になってきている時代だけに、差別化ができなければ、パーティー型はスマホ時代に置き去りにされていく・・・
それが数字に表れています。